快食オフMLの忘年会

日曜日にあった忘年会の話を書こう。

非公開で運営している快食オフMLの忘年会があったのだ。
毎年、最もエネルギーを使う忘年会なので、今年も気合を入れた。

この会ではテーマを決めて、食材のスクリーミングを行う。
食に関心の高い人ばかりなので、できることだ。

今回のテーマは鳥獣肉で、用意したのはヒグマ、トド、ラクダ、アザラシ、ヤギ(♀)、ダチョウ、キジ、シチメンチョウ、ウマ(食用品種)、イノシシと計10種。
全て僕が用意したのではなく、メンバーのそれぞれが「オレが知り合いの猟師に話をしてみるよ」とか、九州在住のヤツは「熊本まで買いに行きます!」とか「知り合いが養殖してるから手に入るよ」とか、まぁ色々。

僕担当の肉は冷凍で届いたのでゆっくり解凍し、当日の朝から捌いた。
最初にトド肉に手を出したが「うっ!」と顔をそむけるくらい鉄臭い。
ヘモグロビンによる錆びた鉄の臭いが強烈なのだ。
こりゃそのままでは厳しいぞと思い、丁寧に血を拭いてカットした後、キッチンペーパーに包んで冷蔵庫へ入れた。
結局、出発前までに何度もキッチンペーパーを替えることになったのだけど。

アザラシも同じ。
トドほど臭いはキツくないけれど、クジラ肉に近い。
これも同様にカットして何度もキッチンペーパーを替えた。
なるべく血を抜いて、臭みを抜く作戦だ。
ニンニクや生姜で下味を付けるのはそれが終わってからだろう。

おそらく外国で獲れたものだから、血抜きの処理が甘いのかなぁ。
それとも海獣類って概ねそういうものなのか。
僕はアザラシしか食べられなかったけれど、あれだけ処理しても血の鉄臭さが残っていた。
トドの評価は全ての肉の中で最低。
どちらにも旨い下味を付けたんだけど、焼いて食べたのが悪かったのかもしれない。
竜田揚げならもっと旨かったかも。
今後の課題だな。
また、食べることがあればだけど。

ヒグマは筋を取りながら、脂身が旨そうだったので食べやすく切って入れておいた。
僕は赤身しか食べなかったが、子どもたちまで普通に旨いと食べていた。
中でも脂身が絶品だったらしい。
それは食べたかったなぁ。
血抜きがしっかりしていたし、それほど癖はない。
塩胡椒の焼肉で充分旨い肉だ。

ラクダも好評。
僕も食べたが普通に旨い。
まぁ、中東ではポピュラーな肉らしいから当然かな。
これも外国産なのだろう、筋が入り組んだ塊肉で、捌くのが大変だった。
食べた人は「もっと筋張ってると思っていたけれど、柔らかくて旨いね」と言っていた。
いや、筋を取らなきゃ、かなり硬いと思うよ。

ヤギは沖縄でも食べているがあれは雄ヤギが主で、今回は雌ヤギだった。
雄ヤギに比べて臭いが少ないとのことだったが、実際にそのとおりで、ヤギのチーズが食べられる人なら全然大丈夫なレベル。
むしろ、ふんわり甘い香りがして、素直に「ヤギって旨いね」と思う味だった。
これも普通に子どもたちが食べていた。

イノシシは珍しくないけれど、血抜きが完璧で、極上の旨さ。
やっぱり血抜きがしっかりしたイノシシは最高レベルだなと思う。
まぁ今回、特に外国の肉は血抜きなどの処理の点で劣っていたと思うので、公平な評価ではないのだけれど。

シチメンチョウはダッチオーブンで焼いてもらったが、巨大だったので大変だったようだ。
さっぱりというか、パサついた食感だけど、まぁシチメンチョウってそういうものだからね。
お約束のクランベリーソースをかけて食べたら意外にいけた。
全身が鶏ササミのようなさっぱり肉だからこそ、クランベリーソースが合うんだね。

ウマとダチョウは生で食べた。
ウマ肉は、九州のヤツに僕が、霜降りは要らないから旨い赤身を買って来いと言ったら、最高級を買って来た。
僕が刺身に造ったが、繊維がふんわりと柔らかくて、包丁を入れただけで、こりゃ口の中でほどけるなと判るほど。
赤身なのに適度にサシが入っており、ウマの甘い香りが薄っすらと感じられる。
これは物凄い勢いでなくなった。
たくさんあったが、全く余らなかった。
つか、この会では基本的に、食材や料理が余ることはないのだけれど。

ダチョウもウマに負けず劣らず旨い。
ぷちゅっとした葡萄の粒のような身の弾け方をして、ウマよりもさっぱりしている。
逆にウマほどの濃厚な旨味はないのだけれど。
これ、普通に食べて嫌いな人がいないんじゃないかな。
それくらい癖がないのだ。

えーと、残りはキジかな。
これはしっぽくうどんの具になった。
汁に入っているけれどふんわり柔らかくて、癖がなく、旨い鶏肉のような味。
これも手当てが良いのだろう。
うどんも旨いし、しっぽく汁も旨いしで大好評だった。
残念だったのは、しっぽく汁が大量に残ったのに持って帰られなかったこと。
さすがに汁を持ち帰るのは無理だが、当然、有効活用した。

他には、キジの内臓があったな。
これも焼いて食べたが、旨かったらしい。
僕の口には入らなかったが、子どもたちがモリモリ食べていたので旨かったのだろう。

その他には酒がとにかく大量。
日本酒では十四代もあったし、焼酎では佐藤もあった。
僕が持ち込んだ元和夢幻の酒も好評だったし、雨後の月の200本限定酒も人気が高かった。
焼酎の達磨Xも良かったし、途中から記憶があやふや。
ワインも面白いものがあちこちで抜かれていたので、僕は飲み切れなかった。

酢飯を持って来ているヤツがいたので、ウマやダチョウは握り寿司になった。
ホースラディッシュや柚子胡椒を薬味に使ったりと、非常にユニーク。
これが意外なくらい合うのだ。

寿司といえば写真の捧寿司も旨かった。
福山市の「鼓」のものらしい。
海老の捧寿司だが、酢飯は海老の頭のダシで炊いてあるらしく、一体感があって凄く旨かった。
僕は一切れしか食べられなかったが、一人で抱えて食べたい料理だ。

もう一つの写真はダチョウの刺身とユッケ。
この後、中心に盛られているユッケにウコッケイの玉子を落としてユッケにして食べた。

えーと、他には、、、そうだ!岡山は吉田牧場のカチョカバロもあった。
鉄板で焼いて食べたら、楽しさと旨さの相乗効果だった。

福山市の「ミヤパン」も好評だったな。
クロワッサンとカレーパンは別にゲットしたが、フォカッチャを温めて食べたらシミジミ系の旨さだった。

長々と書いたけれど、これが全てではないと思う。
僕が知らないところで色んな料理が食べられていた。
そういえば、どこの店で買って来たのか?と思うような見事なブッシュ・ド・ノエルが切られていたりもした。
子どもたちが食べたので僕は味を知らないけれど。

確かハンバーグもたくさん焼かれていたはずだが、何の肉だったのか?
これも食べていないので判らない。

毎年のことながら、疾風怒濤の4時間だった。
旨いものが多過ぎて、食べたり飲んだりが追いつかない。
でも、これを楽しみにしてくれている人がたくさんいるし、同時に研鑚の場にもなっていると思う。

それぞれの酒や料理について、食べたり飲んだりしながらディスカッションしており、僕を含めて多くの刺激や学びを得ているのだ。

これが終わると、やっと正月が来るような気がする。
楽しかったけれど、次は1年後だね。
花見や芋煮やその他諸々の小さなオフ会はあるけれど、この規模と勢いは1年に1度しかできないよ(笑)。

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