自信を育てるためのメソッド

最近、スタッフから僕の思考法や勉強法を教えてくれと言われていて、時々辻説法している。課題図書を渡したり、ネット上のこの文章を読むといいよと勧めたりもする。仕事と絡めて話をすることもある。こうしたことはあまりしなかったので自分にとっても良い勉強になっている。
そこで、20代の女性に話したことを記録しておく。僕が見ていて、彼女は自分に自信がないのではないか?と感じていた。さり気なく話を振ると、その通りであり、克服したいとのことだったので次の話をした。

◆自分との約束が何よりも大事

自分との信頼関係を築く必要があるので、まずは自分で決めたことを必ず守るようにすること。些細なことでも嘘をついたり、誤魔化したりしない。誰にも判らないことであっても自分自身は判っており、心の奥底で自分に落胆してしまうのだ。「明日は早起きして走る」と決めて寝たら、ちゃんとその約束は守る。そうすれば自分自身を信頼することができる。これはとても大切なことだ。

◆自分は自分が成長させる

学生時代は誰かがカリキュラムを決めて成長を促してくれた。ところが社会に出ると忙しく日々が過ぎるだけで、自分が成長している実感が得られにくい。しかし、誰かに成長させてもらおうとは考えないこと。自分で自分を成長させるのだ。
成長させるべきものは何でもいい。手芸でも料理でも着物でもいいけれど、個人的にはフィジカルの成長を勧める。特殊な世界の技能を伸ばすよりも、最もプリミティブな体力を伸ばすほうが結果が数字なので判りやすく、水平方向の展開がたやすい。端的に言えば潰しが利く。また、ストレス発散になり、加齢による体力の低下、身体のラインの崩れも防げる。さらに言えば、身体を通じてしか獲得できないタイプの知性を得ることができる。

これらの成長によって何を得るのか。それはまだ自分が伸びている、成長しているという手応えだ。この小さな成功体験により、自分のことが好きになる。無理に大きなチャレンジをする必要はない。確実に成長しているという実感を得ることが大切なのだ。

◆心がワクワクすることをやろう

上の2つの「約束」と「成長」は義務でやっても面白くない。自分が面白そうだと感じることをやること。ココロの羅針盤が動いた時、ワクワクすると感じた時にやればいい。そのためには好奇心を忘れないこと。ワクワク感の源泉は好奇心だ。好奇心は決して失ってはならない。

僕が勧めるメソッドは上記の通りだが、間違えてポジティブ教にはまらないこと。何でもかんでもポジティブに捉えるというのは、結局のところ自分に嘘をつく、裏切る行為だ。だって心の奥底で「それは違う!」と思っているのだから。そんなことしたら自己嫌悪が増すばかりだから絶対にやらないこと。

たまには自分との約束を破ってしまうこともあるだろう。頑張っても成長が感じられない時があるだろう。それでも自分のことを丸ごと受け入れてやる。ダメな部分がゼロならば、それは聖人だ。僕ら凡人に必要なのは、目を瞑って無批判に自己肯定することではない。ダメな自分すらも受け入れる自己受容だ。

時には失敗しながら、自分との約束を守り、少しずつでも成長し続けていれば、自分のことをまるっと受け入れることができる。そうするとナチュラルな自信が生まれる。自信は持つものではない。自ら生み、育てるものだ。そうすると何が変わるか。

僕は笑顔が変わると感じている。リラックスしたいい笑顔が自然とできるようになる。
その頃には自分に自信がないとは考えなくなっているだろう。
その先には自立した人間性や幸福感といったテーマがあるのだけれど、また別の機会に話そう。

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