2011出雲路センチュリーライド

5月の病み上がりに、同じ160kmのツール・ド・国東を完走しているので、距離に不安はなかったけれど、コースとタイムは気にしていた。
目標は8時間以内だったが、結論から先に述べると、達成できなかった。
思った以上にタフなコースだったのだ。
簡単にインプレッションを記しておくと、まず、コースが非常に込み入っている。
かなり狭い道を走らされることが多くて、追い抜きが難しい。
宍道湖の周辺道路など、美しくて楽しい部分もあるのだけれど、中には「本当にこの道で合っているのか?」と不安になるほどの路地を走らされる。
超重要なポイントには整理員が立っているけれど、ほとんどは小さな案内表示が出ているだけなので、道に不慣れな人は非常に間違えやすい。
僕も一度、右折表示を見逃して直進しかけたし、連れも表示を見落として誤った道に進みかけた。
連れがいれば見落とし率は半分になるが、一人での参加はキツいと思う。
途中で20人くらいの選手がまとめて道を間違えたところに出くわしたし、その表示を見る限り、僕が先頭でもこれなら間違えると思える案内表示だった。
後半は前後に選手がいなくなるので、余計に不安になる。
妙な緊張感のある大会だった。
ただし、スタッフのホスピタリティが低い訳ではなくて、何人もレース中にトラブルサポートを受けている場面に遭遇した。
自転車レースではメカトラブルのサポートはないのが普通。
そうならないよう、しっかり点検して来ることが選手の心得だからだ。
それをフォローしてくれるのだから、この点においては「甘やかし過ぎ」と言えるほど手厚かった。
また、今回のレースでは、マキビシでも撒いてあるのか?と思うほど、パンクしている選手が多かった。
僕だけでも30人くらいは見かけたように思う。
センチュリーライドだから、初心者は参加していないように思うので、何か特別の要因があったのだろうか。
空気圧のチェックを忘れたとか、そんな初心者みたいなミスをする人はいないと思うのだけれど。
僕の連れは一人もパンクすることなく完走したのでよく判らない。
スタートはウェーブスタートだった。
僕は7時39分。
ちょっと漕ぐとすぐに前の集団に追い付いたが、道が狭いので追い抜くこともできず、かなりのんびりペースで走り続けた。
アベレージは20km以下かな?
抜きたくても車列に切れ目がないので、物理的に前に出ることができないのだ。
しかし、第1エイドから第2エイドの間でそこそこキツい坂があり、集団が伸びた。
この辺りからやっと普通に走れるようになった。
とはいえ、車速が遅いこともあり、僕はまだ、フロントインナーを使う必要を感じないほどだった。
本当にキツかったのは第2エイドから第3エイド。
激坂はないけれど、小山が延々と続くコースで気持ちが倦んでくる。
覚悟はしていたけれど、思った以上にキツいコースだった。
強烈な激坂が一つあるのではなくて、さざ波のように押しては返す坂の繰り返してで、徐々に脚が削られる感じ。
それまでのエイドで補給食は口にしつつも、空腹が我慢できなくなり始めた頃、第3エイドに到着。
補給食を食べ終わると、制限時間まで40分しかないことが判った
それまでは連れの2人が到着するまでエイドでそこそこ長い時間待っていたが、時間的にヤバいのでネコ吉さんと2人で先に進むこととした。
第4エイドまでは大根島を渡るコースなので坂はないが、向かい風が凄まじかった。
水面が波立つほどの風で、誰かの後ろに入らせてもらおうとしても、なかなかペースの合う人がいなくて困った。
30分ほど無賃乗車させてもらった集団列車があったけれど、その人たちも途中からバラけてしまったし。
さらに中海大橋を渡っている途中、右の大腿四頭筋に痙攣が来た。
ヤバいなと思いつつ、登りなので脚を止めることができないから、そのまま無理矢理回し続けたら回復してくれた。
第4エイドに到着し、サインを済ませると、名簿の半分くらいが埋まっていた。
第3エイドまではサイン済が半分以上だったので、少し焦ってしまったのだ。
「出場者のレベルが高いなぁ」とぼやきつつ、元来た道を戻った。
本当は中海を縦断するはずが、なぜか主催者の意向でコース変更があったのだ。
最終エイドに入る前に、松江駅の北西側の半島を走ったが、これが思った以上にキツかった。
最後の一山なのだが、こんな道を最後に用意しなくてもいいのにと泣きが入るほど。
もう坂道はいいよ、お腹いっぱいだよと言っているのに、容赦なくお代わりがやって来る椀子そば状態。
ギアをインナーローに落とし、一歩ずつ踏みしめるように前に進んだ。
やっと最終エイドに到着し、サインをすると1/3ほどしか埋まっていなかった。
序盤にのんびりしたので、ずっと下位に甘んじていたが、やっと上位1/3に入ったようだ。
エイドでもあまり長く休憩していると、逆に疲れるので、第3エイド以降は休憩時間を短めにしたのが良かったのだと思う。
休みすぎると筋肉が強ばってしまうのだ。
最終エイドからの20数キロは、冗談を言い合いながらリラックスして進んだ。
それでも途中の坂で再び右大腿四頭筋に痙攣が来たりして、そこそこ大変だったが、まぁ何とかやり過ごすことができた。
要は痙攣が来ても気にしないことだ。
ちょっとストレッチしたり、脚を止めたり、力を入れずにペダルを回していると、徐々に回復する。
よほど酷くない限り、自転車を降りることもない。
軽い痙攣はしばしばあることなので、気にしないことが重要だ。
ゴールに向かう数キロ前から、既にゴールした人たちが自走で帰ったりしていた。
中には満面の笑顔で拳を突き上げてくれる人もいて(もうすぐゴールだぜ!)、僕も笑顔でサムアップを返した。
実はゴールに気付かず、しばらく通り過ぎてUターンするという、何とも感動のないゴールだったのだが、逆にいえばそれくらい最初から最後まで判りにくいコースだった。

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