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2006/12/10(日)
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下関・川棚温泉二日目
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2日目。
朝食はまぁ、普通の宿の朝食。 メインはサワラを焼いたもの。 なぜかハマチのりゅうきゅう(大分の郷土料理)が並んでいた。 大分県が近いからか? いまいち判らん。
その後、ホテルを出発し、赤間神宮を参拝した。 耳なし芳一ってここがルーツだったんだ。 僕は知らなかった。
また、三種の神器の一つ「八咫鏡(やたのかがみ)」がここへ安置されているような、ないような、どうもよく判らない記述がされていた。 あとから詳しい人に聞くと、あるけれど、バラバラになっているらしいとのことだった。 また、当時の三種の神器は本物が複数個あったのではないか?という考察もあるらしい。 公開されていないので、真実は一部の人しか知らないのだ。
その後はもちろん、唐戸市場へ。 僕は外国でも市場巡りをするくらい、市場好きなので一人ワクワクしていた。 ほとんどの人は、1時間半も潰せんよとぼやいていたが、僕には時間が足りないくらい。
ざっと一周して思ったのは、かなりの部分が観光地化されているなということ。 鮨を出しているところが多いけれど、こういうところの鮨が旨いということは、まずない。 実際、あちこちの店頭を見て歩いたが、旨そうな鮨は一つもなかった。
フグもあちこちで売られているが、トラフグでなければ意味がない。 サバフグやカナトフグを、わざわざここで買う理由はない。
検討の結果、中央よりの小さな店の品が良さそうだと思った。 ○魚の品揃えが良い。季節の地元の魚しか置いていない。 ○フィルムで真空パックされたような品が一つもない。 ○ストックが少なそうで売切れ終いっぽい。 というのがその理由だ。
僕が狙っていたのはトラフグのアラ。 店のおっちゃんに、これは養殖?と聞いてみた。 一匹分で800円だから養殖だろうと当たりを付けたのだ。
すると「ああ養殖だよ。天然ものは売れちゃったな」とのこと。 ちなみに天然ものはいくらなの?と聞くと、1,000円とのこと。 うわ、安いじゃん、それ。
今は重さどれくらい?と聞くと「これは1.2kgだね」と即答。 「こっちの刺身のアラがこれだよ。天然ものも刺身ならあるよ」と続く。 しかも、天然ものの刺身は養殖ものの下へ、少し隠すように置いてある。
自分が売っているものの情報をきっちり把握しているし、アラと上身が対になっている。 間違いない。 買うならここだ。
800円のアラを購入し、これで目的の一つは達成した。 ちなみに刺身は寝かせの時間が判らないから、こういう場所では買わないのが得策。 フグの身はサラシなどを巻いて、一晩程度寝かせなければ味が出ない。 フグに限った話ではないが、フグの場合は特に、刺身というのは、その処理を含めて全てが料理なのだ。
次の目的は塩雲丹。 品種はどこで聞いてもバフンウニとのことだった。 可食部分が少なく、生食が難しいから塩雲丹にするのだろう。
大手メーカーの品が最も多いが、どうも僕は大きな組織よりも小さな組織を選んでしまう。 もちろん、大きな組織でも素晴らしい理念で仕事をしているところはあるが、概ね、組織が大きくなればなるほど、内向きの理屈が幅を利かせるようになる。 それはどんな組織でも共通したことなので、僕はどうしてもリスクの観点から小さな組織を選んじゃうんだよね。 とはいえ、小さい組織であれば、必ず良いものを作っているとは限らないので、その点には細心の注意を払うこと。
あちこち見たけれど、最も高かったのは角島の雲丹だったかな。 一瓶3,500円。 もちろん、化調も増量剤も入っていない、バフンウニ、塩、エチルアルコールのみで、ウニの含有量が95%以上の品だ。 結局、僕が買ったのは山口漁協蓋井島支店の品で、2,700円だった。 あとから海女をやっている個人が作った2,200円の品があったので、少し後悔したが、どちらも食べていないのだから、どんな差があるか判らないしね。 とりあえず、悪い品ではないと思ったのだ。
他に棒鱈や、タラの胃袋を干したものが売られていたので、どうしようかと悩んだが、調理の手間を考えて止めた。
その後、市場の外にある店を見ながらぶらぶらしていると、韓国食材の店を見つけた。 「錦山商店」という店だ。
あまり深く考えず、試食用のキムチを食べて驚いた。 甘味に走らず、塩っぱさにも走らず、後から来るタイプの辛味をズシンと効かせ、魚介の旨味を活かした、実に僕好みの素晴らしいキムチだったのだ。
しかも、使った魚介はアミ海老のものと、イワシのものが分けて用意されている。 アミ海老を入れるキムチは結構多くて、もちろん旨いのだが、旨味も風味もややクドくなると僕は思う。 やはり好きなのはイワシだな。 とはいえ、イワシ本体ではなく、魚醤かダシが使われているのだと思うけれど。
このキムチを買って帰ろうかな?と思ったが、もう少しじっくり見ると、コチュジャンが置いてあった。 しかも、そのコチュジャンは自家製と書いてあるではないか。
韓国ではスンチャン(淳昌)コチュジャンが有名だが、普通に売られているものには化学調味料が入っている。 しかも、味を調えるために少しだけ、というのではなく、食べて気になるほど入っているのだ。 僕はコチュジャンが大好きなだけに、そういうコチュジャンは常食したくない。 本当に旨いコチュジャンは違うんだといつも不愉快に感じていた。
で、ここのコチュジャンは、原材料欄へ唐辛子、米粉、塩、大豆としか書いてない。 おぉと思いつつ、試食できないの?と訊くと、冷蔵庫から試食用を取り出し、爪楊枝ですくって食べさせてくれた。 最初は甘さが来る。 砂糖ではない、パプリカピーマンのような甘さが来て、じわじわと口の中が侵食されるように辛さが拡がっていく。 何よりも風味が素晴らしい。 これは本当に唐辛子だけから出た風味なのか?と思うほど。
迷わずコチュジャンと、このコチュジャンをベースに使ったサンチュ味噌を買った。 さらにムルキムチがあったのでそれも買った。 ここの品であれば間違いないだろう。
それをアジュマに渡すと「男の人がムルキムチってのは珍しいね」と言われた。 そうですか?僕は好きですよと応えると、もっと新しいのもあると言われた。 しかし、真っ当なキムチであればしっかり発酵させたものが旨いので「いや、むしろ古いのがいいんです」と応えると、へぇ?という目で見られた。
買った後で時間を確認すると、集合時間まで10分しかない。 急いでバスに戻ると、規定の時間の5分前だったが、既に全員集まっていた。 や、や、申し訳ないと頭を下げつつ、収穫物をクーラーボックスへ格納する。 下関に以前住んでいた先輩の一人が「下関は韓国の人が多いから、韓国食材のレベルが高いんだよ」と教えてくれた。 ということは「錦山商店」よりも僕好みの店があるかもしれないということか? そりゃ大事件だな。 何が何でも下関の韓国食材店巡りをやってみなければ。
その後、ぐるぐる回る展望台のようなところで昼食。 またも料理は味のない、妙な風味のフグばかり。 唐揚げは食べられるが、他の料理はもううんざり。 朝ご飯をしっかり食べたこともあり、あまり手が伸びなかった。
その後は長門の町並みをボランティアガイドの方に案内してもらった。 このガイドの方が本当に素晴らしい方で、プロのガイドの妙な節回しの説明よりも数十倍も心に残った。 案内してくださった方は時山さんといわれる年配の男性だが、説明は澱みなく、判らない部分や教えてもらえない部分は自分の足で調べ、しかし、自分の主義主張を押し付けることなく、情熱的に、客観的に説明してくださったのだ。
しかも、神社の境内に入る前には帽子を脱いで一礼することを忘れない。 入館料が寄付のところでは誰よりも率先して自分がお金を入れる。 ガイドとしての知見もさることながら、人生の先輩として心から尊敬できる方だった。 個人的には何時間かかっても全てを案内してほしかったが、そうもいかないので、随分、端折って説明していただいた。 願わくば、妻とともに再訪し、再び時山さんに、今度は時間に余裕を持って説明していただきたい。 僕にリタイア後の時間があればだけど、こういう生き方も良いなと思った。
その後はバスに揺られ、一路広島へ。 帰宅したのは20時前だったかな。 本来ならば、ここでレポートは終りなのだけど、最後に少し追加情報を。
夕食は何にしようという話になり、僕は軽めでいいよと言ったが、せっかくだからフグのアラを食べようと妻が言い出した。 いや、僕はもう、フグは食べたくないよと言うのだが、彼女は一欠けらも食べていないのだし、とりあえず小鍋仕立てにしてみることにした。 ダシは昆布だけ。 具はフグのアラ以外は、白菜と青ネギのみ。
しばらく煮て、何気なく味見してびっくりした。 うぉっ!なんじゃこりゃ?と声をあげたほど旨いのだ。 おいおいおい、どうなってんだよ?これ。
味わいは軽いけれど、さっぱりした旨味が濃くて、ゼラチンがしっかり感じられる。 これってもしかしなくても、アラの味だよね? と確認するほど旨かった。
これにより、僕が明らかに判ったことが一つ。 僕はこの2日間でフグを食べたつもりになっていたが、それは間違いなくトラフグではなかった。 たぶん僕の感覚ではサバフグ。 この両者の差は、地鶏とブロイラー以上に開きがあると思う。 天然のサバフグよりも、養殖のトラフグのほうが旨い。 やっぱ、フグはトラフグだと痛切に感じた。 僕のこの2日間は何だったというのか。
この時、塩雲丹も出してみたが大当たりだった。 もしかしたらもっと安くて旨い品があったかもしれないが、ハズレではなかったのでヨシとしよう。
「錦山商店」のコチュジャンは、後日、ご飯にのせて食べた。 これって韓国ではおかずがない時の裏技だが、旨いコチュジャンでやると堪らなく旨い。 日本の玉子ご飯に近い位置付けかもしれない。
で、食べてみると、思ったとおり絶品だった。 ただし一般受けするのはサンチュ味噌だな。 こちらも辛さの芯が通っていて、風味がすっきりしている。 ムルキムチも、言うまでもないことだが旨かった。 しっかり発酵した漬け汁が特に良い。 僕は無論、日本の漬物は大好きだけど、キムチは塩分が少ないのでたくさん食べられるのが良さと思う。 ただし、塩分が少なく、水っぽくもなく、しっかり発酵した旨いキムチって本当に少ないんだけどね。
とり急ぎ駆け足で簡単なレポートにまとめたので、次に誰かが下関方面へ行くときの参考になればと思う。 僕自身、まだまだ下関は3回目くらいだし、充分な内容ではないけれど、都合の良い部分だけ参考にしていただければと思うのだ。
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